クリニック・薬局のホームページ、新しく作るときやリニューアルのときに考えておきたいこと
こんにちは。Web集客担当の梅原です。
リセラでは、クリニックや薬局のお手伝いもしています。
眼科、内科・皮膚科、心療内科、整形外科・内科、歯科、調剤薬局。
ホームページのほかに、院内の写真撮影や、診療案内のパンフレットも担当しています。
医療のホームページには、一般企業のホームページと同じところと、医療ならではのところがあります。
同じなのは、まず目的から考えること。
違うのは、医療広告のルールがあることや、口コミやLINEとの付き合い方に、医療ならではの気をつけどころがあることです。
今回は、クリニックや薬局のホームページを新しく作るときや、リニューアルするときに考えておきたいことを、お手伝いしてきた経験をもとにブログ記事にしてみました。
はじまりは、一般企業と同じで「目的」から
クリニックや薬局のホームページでも、最初に話すのは、一般企業と同じで目的です。
新しい患者さんに知ってもらいたいのか。
通っている方に、診療時間や休診のお知らせをきちんと届けたいのか。
スタッフを採用したいのか。
薬局なら、在宅医療のように、まだあまり知られていない役割を知ってほしいのか。
実際、ご相談の中身は本当にさまざまです。
「診療の概要が伝わる機能があればいい」というご依頼もあります。
一方で、診療報酬の改定をきっかけに、患者さんを増やしたいというご相談もあります。
「クリニックが増えて、患者さんの取り合いになっている」とお話しされる先生もいらっしゃいます。
逆に、ホームページを持たない先生とも、親しくお付き合いさせていただいています。
歯科の先生なのですが、理由は「これ以上は患者さんが入れないから」。
実際、そのクリニックは、予約したくてもすぐには取れません。
これはこれで、すごいことですよね。
だからこそ、そのクリニックにとってホームページが何のためにあるのかを、最初に一緒に考えるようにしています。
厚生労働省の調査では、外来の患者さんが医療機関を選ぶときの情報源として、いちばん多いのは家族・友人・知人の口コミ(71.1%)でした。
次に多いのが、医療機関が自分で出しているインターネットの情報(24.4%)です。
知り合いから聞いて、ホームページで確かめる。
そんな流れを思い浮かべると、ホームページの役割が見えてくると思います。
患者さんは、病名より先に「症状」で探す
クリニックのホームページの構成で、やっぱりあったほうがいいと思っているのが「症状から探す」入口です。
目のことで困ったとき、多くの方は、まず症状や、聞いたことのある病名から調べます。
「目がかすむ」「まぶしい」「白内障 手術」。
でも、ホームページの中身は、診療科や治療の名前で整理されていることが多いんですよね。
探している言葉と、ページの見出しの言葉が、すれ違ってしまうんです。
リセラがお手伝いした眼科医院のホームページでは、白内障や緑内障など、病気ごとに入口を設けて、症状から治療までを一続きで読めるようにしました。
内科・皮膚科のクリニックでは、症状の名前から入れるページを用意して、保険診療の皮膚科と美容皮膚科を混ぜないように整理しています。
診療科によっては、病名から入らないほうがいいこともあります。
心療内科のホームページでは、病名ではなく「こんな症状で悩んでいませんか」という問いかけから入る形にしました。
受診をためらっている方の気持ちを、ホームページが重くしてしまわないように、という考えからです。
薬局も同じです。
ある調剤薬局のホームページでは、処方箋のこと、薬のこと、在宅医療のことという、薬剤師さんと関わる3つの場面で整理しました。
在宅医療は、流れと費用まで書いています。
別の薬局では、病気と薬のことを領域ごとに解説するページを作りました。
原稿は、薬剤師さんにお話を聞いて、それをもとに書いています。
いちばん大事かもしれない、「どんな先生なのか」
もしかすると、いちばん大事なのはここかもしれません。
どんな先生なのかを知りたくて、Googleマップの口コミを見に行く方が、本当に多いんですよね。
説明は丁寧か、話しやすいか、どんな考えで診療をしているのか。
患者さんがいちばん気にしているのは、診療の内容と同じくらい、先生のことなのだと思います。
だからこそ、ホームページでも、先生のことはしっかり伝えておきたいところです。
経歴や専門の分野だけでなく、診療で大事にしていること、先生の写真、ご自身の言葉でのメッセージ。
口コミを見る前に、ホームページで「こういう先生なんだ」と分かれば、安心して来ていただけます。
これは、私自身の経験でもあります。
以前、粉瘤ができてしまったとき、クリニックをWebで探しました。
そのときは粉瘤というものを知らなかったので、最初は「いぼ 切除 何科」「いぼ 痛い」といった言葉から調べはじめました。
いろいろ探していくなかで粉瘤という病名を知り、そこから専門のクリニックを探すようになりました。
結果的に、診察を受けに行ったのは、70kmほど離れたクリニックです。
ホームページに粉瘤のことがくわしく書いてあって、安心できたこと。
先生のメッセージが動画で載っていて、この先生に診てもらいたいと思ったこと。
そして最後は、クリニックに電話をしたときに対応してくださったスタッフの方が、とても親身だったことも決め手になりました。
症状の言葉から探しはじめて、最後は「どんな先生か」「どんなクリニックか」で決める。
患者さんの探し方って、こういう流れなんだと、身をもって感じました。
同じ流れで探される方も、多いと思っています。
実際に、Search Consoleで検索されている言葉を見てみると、「名医」「無痛」「痛くない 歯医者」「先生 やさしい」など、患者さんが求めている対応の言葉からの流入も多いんです。
クリニックの特長は、ぜんぶ出しておく
同じ歯科クリニックでも、特長や特色は、本当に全然違います。
得意としている治療、設備、診療時間、お子さん連れへの配慮、駐車場、バリアフリー。
院内では当たり前になっていることでも、患者さんにとっては、選ぶときの大事な手がかりです。
「これは書くほどのことではない」と思わずに、特長はみんな出したほうがいいと思っています。
ほかと比べるのではなく、事実として、そのクリニックのことを並べていくイメージです。
医療ならではの、広告のルール
クリニックや薬局のホームページを作るときに、まず意識しておきたいのが、医療広告のルールです。
2018年6月から、医療法の改正で、医療機関のホームページも広告のルールの対象になりました。
それまでホームページは、原則として広告の規制の外にあったので、ここで大きく変わったんですよね。
厚生労働省の資料では、たとえば次のような表示が禁止されています。
| 禁止されていること | たとえば |
|---|---|
| 事実と違うこと | 根拠の示されていない数字、加工した治療前後の写真 |
| 大げさな表現 | 事実を必要以上に大きく見せる言い方 |
| ほかと比べて優れていると示すこと | 「地域で一番」のような最上級の表現 |
| 患者さんの体験談 | 治療の内容や効果についての体験談。口コミの転載や、スタッフが書いたものも含む |
| 治療の前後の写真 | 費用、リスク、副作用などの説明がないもの |
自由診療の内容をくわしく載せる場合には、治療の内容や費用、主なリスクや副作用などもあわせて載せる、といった条件もあります。
一般企業のホームページなら当たり前の「お客様の声」も、医療ではそのままでは使えません。
そのぶん、伝えられるのは、事実です。
どんな診療をしているのか。
どんな設備があるのか。
どんな先生やスタッフがいて、どんな想いで診療をしているのか。
事実を丁寧に積み重ねることが、医療のホームページでは、いちばん伝わるやり方だと思っています。
ただ、ここはとても繊細なところです。
実際には、ルールに合っていないホームページも、まだ多く見かけます。
表現ひとつで判断が分かれることもあるので、迷うところは保健所や専門家に確認するなど、細心の注意が必要です。
Googleマップの口コミは、放置しないこと
クリニックのGoogleマップの口コミは、ほかの業種とは少し違う難しさがあります。
私が見てきた中では、厳しい口コミほど書かれやすく、良い口コミはあまり書かれない印象があります。
体調がよくなって満足した方は、わざわざ口コミを書かないことが多いんですよね。
そのまま放っておくと、厳しい口コミばかりが目立ってしまいます。
返信するときも、医療ならではの気をつけどころがあります。
- 症状や来院した日など、患者さんが特定されることには触れない
- 治療の効果について、口コミの内容に同意したり、言い切ったりしない
- 厳しい口コミにも、医学的に反論しない。くわしいことは窓口でうかがう形にする
返信も、ほかの方が読むものです。
公開されている返信は、広告のルールの目で見られることもあると考えておくと安心です。
口コミへの返信の考え方は、口コミの返信の記事にも書いています。
広告は、検索される言葉を拾えるように
クリニックでWeb広告を出すときに私が意識しているのは、できる限り、実際に検索される言葉を拾えるようにすることです。
医療の広告は、使える言葉が限られています。
「よく治る」「地域で一番」のような、効果や優れていることを伝える言葉は使えません。
検索結果に出る広告やバナー広告は、ふつうのホームページより、さらに書ける内容がしぼられます。
そのぶん、広告では、探している人の言葉に合わせることを大事にしています。
- 地域名と診療科(「〇〇市 眼科」のような探し方)
- 診療日や診療時間、予約ができるかどうか
- 症状の名前で探している方には、その症状を説明したページへ案内する
広告から来た方が最初に見るページも、もちろん広告のルールの対象です。
広告の言葉と、来てもらうページの両方を、同じ目線で見直すようにしています。
地方のクリニックとLINEは、相性がいい
ここ最近、肌で感じているのが、地方のクリニックとLINEの相性のよさです。
LINEの公式アカウントは、患者さんに友だち登録してもらいやすいんですよね。
同じ地域に住んでいて、また通う可能性がある方が多いので、「登録しておこうかな」と思ってもらいやすいのかもしれません。
たとえば、休診や診療時間の変更のお知らせ。
季節ごとの予防接種の時期のご案内。
自由診療を行っているクリニックなら、自由診療のご案内も、LINEでは効果的です。
ホームページに載せるだけでは届きにくいことも、LINEなら、必要な方に直接届けられます。
もちろん、LINEで送る内容も、医療広告のルールの目で見ておくことが大切です。
よく「クリニックはリピートが多い」と言われますが、実際には診療科によってかなり違います。
慢性の病気で定期的に通う方が多い科もあれば、一度の受診で終わることが多い科もあります。
続けて通っていただく方が多いクリニックほど、こうしたつながりが生きてくるんじゃないかと思っています。
LINEの使い方は、また別の記事でくわしく書いてみたいと思っています。
写真やパンフレット、SNSも同じトーンで
クリニックや薬局では、ホームページだけでなく、写真撮影や紙のパンフレットも一緒にご相談いただくことがあります。
診察や検査の様子、医療機器、院内、先生やスタッフ。
写真があると、はじめての方でも、院内の雰囲気を思い浮かべやすくなります。
ホームページ、写真、パンフレットのトーンをそろえておくと、どこで見ても同じ医院だと伝わります。
最近は、Instagramに力を入れているクリニックも、だいぶ増えましたよね。
院内の雰囲気やスタッフの様子が伝わりやすいので、ホームページと一緒に見てもらえると、より安心につながります。
SNSの投稿も医療広告のルールの対象になるので、ホームページと同じ目線で書いておくと安心です。
最後に
クリニックや薬局のホームページも、はじまりは、一般企業と同じで目的からです。
そのうえで、患者さんが探す言葉に合わせること。
どんな先生なのか、どんなクリニックなのかを、しっかり伝えること。
医療広告のルールの中で、事実を丁寧に伝えること。
口コミやLINEのように、ホームページの外とのつながりも考えておくこと。
このあたりが、医療ならではの考えどころなんだと思います。
新しくホームページを作るときも、今のホームページを見直すときも、どこから考えればいいか分からないという段階で、まったく問題ありません。
何かお役に立てることがあれば、気軽に声をかけてください。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参照した資料
※本記事の内容は公開時点のものです。医療広告のルールは見直されることがあります。
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