クリニックの口コミ、厳しい声が目立つと感じていませんか。良い口コミが自然に集まる仕組みと、Googleマップのこと
こんにちは。Web集客担当の梅原です。
10月も終わりに近づいて、朝晩はすっかり冷えるようになりましたね。
インフルエンザの予防接種も始まって、クリニックの先生やスタッフの方は、いちばん忙しい時期かもしれません。
前回、クリニック・薬局のホームページの記事で、患者さんは「どんな先生なのか」を知りたくて、Googleマップの口コミを見に行く方が多い、というお話をしました。
その口コミですが、ご自身のクリニックのGoogleマップを見て、「厳しい声のほうが目立っているな」と感じたことはありませんか。
丁寧に診療されているのに、口コミの数が少なくて、その良さが伝わりきっていない。そんなクリニックも、意外と多いのではないでしょうか。
ということで今回は、医療シリーズの2本目として、クリニックで良い口コミが自然に集まる仕組みと、Googleマップのことについて、ブログ記事にしてみました。
クリニックの口コミ、厳しい声が目立ちやすいと感じませんか?
飲食店なら、「このお店おいしかったから、おすすめしよう!」と、口コミを書く方がたくさんいます。
料理の写真を撮って、その流れで書く、ということも多いですよね。
クリニックは、そういう発想になりにくいんですよね。
症状がよくなって満足していても、「このクリニック、おすすめしよう!」とはなかなかならない。
クリニックを出たあとに、わざわざGoogleマップを開く方も、それほど多くありません。
そのぶん、数の少ない口コミの中で、たまに入る厳しい声が目立ってしまうことがあります。
ただ、クリニックの口コミをたくさん見てきて感じているのは、こんな口コミも意外と多い、ということです。
「とても親身になってくださった。症状もよくなった。同じ症状で悩んでいる方に知ってほしくて書きました」
自分が困っていたときに、口コミに助けられた。だから、同じように悩んでいる方の役に立ちたい。
そんな気持ちで書いてくださる患者さんは、ちゃんといらっしゃるんです。
それから、口コミには、先生やスタッフの方の接し方が、そのまま映りやすいとも感じています。
説明が丁寧なクリニックには「丁寧に説明してもらえた」と書かれていますし、受付の方があたたかいクリニックには、そのことが書かれています。
書きたい気持ちを持っている患者さんは、いらっしゃる。
足りないのは、書いていただく「きっかけ」なんだと思っています。
口コミが増えると、何が変わるのか
仕組みのお話の前に、口コミが増えると何が変わるのかを、少しだけ整理しておきます。
患者さんは、「自分に合うかどうか」を見ている
厚生労働省の令和5年の受療行動調査では、外来の患者さんが、ふだん医療機関にかかるときの情報の入手先は、次のようになっていました。
| 情報の入手先(複数回答) | 外来の患者さん |
|---|---|
| 家族・友人・知人の口コミ | 68.4% |
| 医療機関が発信するインターネットの情報 | 28.8% |
| 医療機関以外が発信するインターネットの情報(SNS、掲示板、ブログなど) | 18.1% |
| 医療機関の看板やパンフレットなどの広告 | 5.6% |
※病院の外来・入院の患者さんを対象にした調査です。
身近な人の口コミがいちばん多く、SNSや口コミサイトなど、医療機関の外の情報も2割近くの方が見ています。
患者さんが口コミで見ているのは、「このクリニックは、自分に合うかどうか」だと思っています。
説明はわかりやすいか。話を聞いてくれる先生か。待ち時間はどのくらいか。子どもを連れて行っても大丈夫か。
そして、症状がよくなったと書いている人はいるか。
ケアネットが診療所の医師1,000人に行ったアンケート(2024年)では、患者さんの満足のために取り組んでいることのいちばん上が「病状のわかりやすい説明」でした。
先生方が大事にされていることと、患者さんが口コミで確かめたいことは、かなり重なっているんですよね。
急ぐときも、急がないときも、最後は口コミを見て決める
熱が出た、子どもが急に吐いた、ぎっくり腰になった。
そんなときは、「〇〇市 内科」「近くの小児科」のように調べて、地図に出てきた数件の中から、口コミと診療時間を見て決める方が多いと思います。
体調が悪いときに、何十件もホームページを見比べる余裕はありません。
一方で、すぐに受診するほどではない症状のときは、探し方が少し変わります。
いぼのようなものができたけれど、痛みはない。湿疹が少し出てきた。最近、ひどい頭痛がよく起きる。
こういうときは、まずWebで検索したり、最近はAIに聞いてみたりして、自分の症状について調べます。
そのうえで、良さそうなクリニックのホームページを読んで、口コミも見て、ここにしようと決める。
前回のクリニック・薬局のホームページの記事に書いた、私の粉瘤のときがまさにこの探し方でした。
「いぼ 切除 何科」から調べはじめて、粉瘤という病名を知り、最後は70kmほど離れたクリニックを選んでいます。
急がない症状のときは、診てもらいたい先生、相談したいクリニックを選んでいるんですよね。
検索の言葉が、AIに質問するような文章になってきている話は、文章の検索語の記事にも書いています。
入口は違っても、どちらの探し方も、最後に口コミを見て決めることが多い。
口コミは、ふたつの探し方がつながる場所なんだと思っています。
口コミの数と評価は、地図の順位にも関わる
Googleは、地図の検索結果の順位について、公式のヘルプで「ローカル検索結果は、主に関連性、距離、知名度に基づいて表示されます。」と説明しています。
そして、知名度については「クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ローカル検索結果のランキングが高くなります。」とも書かれています。
急いでいるときの探し方では、地図の上のほうに出てこないと、そもそも比べてもらう候補に入りません。
この、Googleマップで見つけてもらうための取り組みを、MEOと呼んでいます。
距離は動かせませんが、口コミは日々の積み重ねで増やしていけるところです。
Googleマップの基本的な整え方は、Googleマップの記事にまとめています。
厳しい口コミ1件の重みが変わる
口コミがたくさんある中の1件と、口コミが3件しかない中の1件では、読む方の受け止め方がまったく違います。
良い口コミが積み重なっていれば、厳しい声があっても、「そういう日もあったのかな」と受け止めてもらいやすくなるんですよね。
それに、クリニックを探している方は、地域にたくさんいらっしゃいます。
日本医師会総合政策研究機構の調査(2023年)では、20代と30代の約7割、40代の約6割の方に、かかりつけ医がいませんでした。
かかりつけ医がいない方のうち、半分以上(54.9%)が「選ぶための情報が不足している」と答えています。
帝国データバンクの調査では、2025年に休廃業・解散した診療所は661件で、長く通っていたクリニックが閉院して、新しいクリニックを探すことになった方もいらっしゃると思います。
こうした方にとって、口コミは、選ぶための大切な手がかりなんです。
良い口コミが自然に集まる仕組み
ここからが本題です。
リセラでも、クリニックの口コミをお願いするチラシやカードの制作をしています。
作るときに一緒に考えているのは、「いつ、誰が、どんな言葉で」お願いするか、そして「どうすれば書く手間を減らせるか」です。
いつお願いするか
お願いするタイミングは、診療科によってかなり違います。
| こんな場面 | 考えておきたいこと |
|---|---|
| お会計のとき | いちばん自然なタイミング。カードを1枚お渡しするだけでも十分 |
| 治療がひと区切りしたとき(歯科の治療の終わり、検査の結果をお伝えしたあとなど) | 患者さんの気持ちが、前向きになっているとき |
| 健診や予防接種のとき | 体調が悪くない方が多いので、書いていただきやすい |
| 小児科 | 書くのは保護者の方。待合室の掲示や、お子さんの診察が終わったあとのカードが合いやすい |
心療内科や、デリケートな悩みを扱う診療科では、こちらからのお願いを控えるという判断もあると思っています。
口コミを書くこと自体が、受診したことを人に知られるきっかけになってしまうこともあるからです。
待合室にそっと案内を置いておく程度にとどめる。それも、患者さんの気持ちを大事にしたひとつのやり方だと思います。
誰がお願いするか
チラシやカードを置いておくだけより、ひと声あるほうが、書いてくださる方は増えるように感じています。
いちばん自然なのは、受付やお会計のスタッフの方からの「よろしければ」の一言です。
もし先生から一言お願いできるなら、それがいちばん心に届くと思います。
「この先生にお願いされたら、書いてみようかな」
先ほどの「同じ症状で悩んでいる方に知ってほしい」という気持ちも、先生のひと言で背中を押されることがあるんですよね。
どんな言葉でお願いするか
お願いの言葉は、「星5つでお願いします」「良い口コミをお願いします」ではなく、こんな言葉がいいと思っています。
「よろしければ、率直なご感想をお聞かせください。同じようにお悩みの方の参考にもなります。」
「同じようにお悩みの方の参考に」という一言は、口コミを書いてくださる方の気持ちに、そのまま寄り添う言葉だと思っています。
Googleのポリシーでは、良い口コミだけを選んでお願いすることや、厳しい口コミを書かないよう求めることが禁止されています。
なので、お願いはすべての患者さんに同じようにするのが安心です。
カードを全員にお渡しする、待合室に掲示しておく、といった形ですね。
書く手間を、できるだけ減らす
書いてもいいと思ってくださった方が、途中でやめてしまわないように、手間を減らしておくことも大切です。
まずは、カードやチラシにQRコードを載せて、口コミを書く画面へそのまま進めるようにしておくこと。
Googleマップを開いて、クリニックを探して、口コミのボタンを押して。この手間がなくなるだけでも、書いていただきやすくなります。
「書いてもいいけれど、何を書けばいいか分からない」という方もいらっしゃいます。
MEOツールの中には、患者さんがいくつかの質問に答えると、その答えをもとに口コミの文章の候補をつくってくれるものもあります。
患者さんはアンケートに答えるだけなので、書いていただきやすくなります。
候補の文章は、患者さんご自身が確かめて、自分の言葉で直してから投稿していただく形です。
医療機関で使われているツールもあり、リセラでも導入のご相談を承っています。
LINEの公式アカウントで、受診のあとにご案内するという方法もあります。
LINEの使い方については、また別の記事でくわしく書いてみたいと思っています。
仕組みをつくるときに、気をつけておきたいこと
ちょうど予防接種の時期なので、ひとつ目はお礼や割引のことです。
2024年6月、東京都内の内科クリニックを運営する医療法人に、消費者庁から措置命令が出ました。
インフルエンザの予防接種に来た方に、Googleマップの口コミで星5か星4を投稿すれば接種費用を割り引く、と伝えていたことが、景品表示法のステルスマーケティングにあたると判断されたものです。
2025年3月には、東京都内の歯科医院を運営する医療法人にも、星5の口コミと引き換えに5,000円分のQUOカードを渡すか治療費から5,000円を割り引く、という件で措置命令が出ています。
Googleのポリシーでも、見返りと引き換えに口コミを書いてもらうことは禁止されています。
見つかった場合は、その口コミが削除されるだけでなく、一定期間、新しい口コミを受け付けられなくなったり、プロフィールに警告が表示されたりすることもあります。
「書いてくださった方に、少しだけお礼を」という気持ちは、とても自然なものだと思います。でも、口コミは見返りなしで書いていただくほうが、クリニックにとってもいちばん安心です。
ふたつ目は、集まった口コミの使い方です。
ご存じの先生も多いと思いますが、医療広告のルールでは、医療機関が自分のホームページに、治療の内容や効果についての体験談を載せることはできません。
Googleマップの口コミを転載したり、ホームページに貼り付けたりするのも、この体験談の掲載にあたると考えておくのが安心です。
口コミは「患者さんに書いていただく場所」、ホームページは「クリニックが自分で発信する場所」と分けておくと、迷うことが少なくなると思います。
口コミを読んだ方に、「どんな先生か」を伝える
口コミで「先生がやさしかった」「説明が丁寧だった」と読んでも、実際にどんな先生なのかは、会ってみるまで分からないものです。
その「どんな先生か」を、来院する前に伝えられるのが、動画だと思っています。
先ほどの私の粉瘤のときも、決め手のひとつになったのは、ホームページに載っていた先生のメッセージの動画でした。
話し方や表情を見て、「この先生に診てもらいたい」と思えたんですよね。
Googleマップにも、ホームページにも載せられる
Googleビジネスプロフィールには、写真と一緒に動画も追加できます。
長さは最大30秒なので、先生のひと言のごあいさつや、院内の様子、受付から診察室までの流れくらいがちょうどいいと思います。
はじめて行くクリニックの入口や待合室の雰囲気が分かるだけでも、行く前の不安はずいぶん小さくなります。
ホームページでは、院長紹介のページや、トップページに少し長めの動画を載せておく。
Googleマップで短い動画を見た方が、ホームページでもう少しくわしく先生の話を聞ける、という形です。
それぞれをつないでおくと、動画が生きてくる
Googleビジネスプロフィールには、ホームページのURLのほかに、InstagramやYouTubeなどのSNSのリンクも載せられます。
ホームページからはGoogleマップやInstagramへ、InstagramのプロフィールからはホームページやGoogleマップへ。
こうして相互にリンクしておくと、患者さんがどこから入ってきても、先生の動画にたどり着けるようになります。
同じ動画を、Instagramにも投稿しておくのもいいと思います。
Instagramを見ている方と、Googleマップで探している方は、同じ層とは限りません。
ふだんInstagramで地域の情報を見ている方に、「近くに、こういう先生のクリニックがあるんだ」と知っていただけるきっかけになります。
そこからホームページやGoogleマップへのリンクがつながっていれば、いざ受診しようと思ったときに、迷わず来ていただけます。
口コミは、患者さんの目から見たクリニックです。
動画やInstagramは、クリニックが自分で見せる、先生やスタッフの姿です。
ほかの人の言葉と、クリニック自身の発信が重なったとき、「ここなら大丈夫そう」という安心になるんだと思います。
なお、動画やInstagramの投稿も、医療広告のルールの対象になるので、ホームページと同じ目線で作っておくと安心です。
厳しい口コミが入ったときは
仕組みをつくっていても、厳しい口コミが入ることはあります。
最後に、そのときのことを少しだけ。
返信は、受診のことに触れない書き方で
口コミへの返信は、院長先生が書かれるクリニックもあれば、スタッフの方が担当されているクリニックもあると思います。
返し方の基本は、口コミの返信の記事や、前回のクリニック・薬局のホームページの記事に書いていますので、ここではWebの文章として気をつけておきたいことをひとつだけ。
返信の文章では、丁寧に説明しようとするほど、受診したことや診察の中身に触れてしまいやすいんです。
たとえば、「当日の診察では、〇〇についてご説明させていただきましたが」という一文。
誠実に向き合おうとした言葉でも、その方が受診したことを、クリニックの側から認める形になってしまいます。
受診の有無や診察の内容には触れずに、書いてくださったことへのお礼と、いただいた声を受け止めること。
くわしいことは、直接お話をうかがいたいと、窓口や電話へご案内する。
こうした返信が積み重なっていくと、これから来る患者さんにも「このクリニックは、ひとりひとりに丁寧に向き合っている」と伝わるんだと思います。
事実と違う口コミは、削除を申請できることもある
ごくまれに、事実と違うことや、誹謗中傷にあたるような口コミもあります。
こうした口コミは、Googleビジネスプロフィールの管理画面から、ポリシーに違反している口コミとして報告できます。
審査には通常数日かかり、違反がないと判断された場合も、1回だけ異議を申し立てることができます。
ただ、削除されるのはポリシーに違反しているものだけで、内容に同意できないという理由だけでは削除されません。
ほかに、Googleに法的な理由で報告する窓口もあり、名誉を傷つけるような書き込みなどは、弁護士に相談して、裁判所を通じて削除を求めるという方法もあります。
2024年4月には、医師や歯科医師ら約60人が、Googleマップの口コミをめぐって、Googleを相手に裁判を起こしたことも報じられました。
守秘義務があるため、口コミに反論しにくいという声も伝えられています。
医療機関にとって、口コミの扱いは、それだけ大切なテーマなんだと思います。
削除の申請は、必ず通るものではありません。
だからこそ、ふだんから良い口コミが自然に集まる仕組みをつくっておくことが、いちばんの備えになるんだと思っています。
最後に
クリニックの口コミは、厳しい声が目立ちやすいところがあります。
でも、「同じ症状で悩んでいる方に知ってほしい」と思って書いてくださる患者さんも、ちゃんといらっしゃいます。
いつ、誰が、どんな言葉でお願いするか。
書く手間を、どれだけ減らせるか。
そんな小さなきっかけから、口コミは少しずつ育っていくんじゃないかと思います。
そして、口コミを読んだ方に、動画で「どんな先生か」が伝われば、はじめての患者さんにも安心して来ていただけると思います。
「口コミのカードを作ってみたい」
「Googleマップのプロフィール、何から見直せばいいか分からない」
そんな段階のご相談で、まったく問題ありません。
Googleマップの取り組みについては、MEO対策のページにも載せています。
何かお役に立てることがあれば、気軽にお声がけください。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参照した資料
- 令和5(2023)年 受療行動調査(概数)の概況(厚生労働省)
- 診療所医師1,000人アンケート(ケアネット、2024年9月)
- Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- 第8回 日本の医療に関する意識調査(日医総研ワーキングペーパー No.480)
- 医療機関の倒産、休廃業・解散 2年連続で過去最多を更新(帝国データバンク、2026年1月)
- 禁止または制限されているコンテンツ(Google マップ ユーザー作成コンテンツのポリシー)
- 景品表示法に基づく措置命令(内科クリニック、消費者庁 2024年6月7日発表)
- 景品表示法に基づく措置命令(歯科医院、消費者庁 2025年3月18日発表)
- 令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります(消費者庁)
- ポリシー違反によるビジネス プロフィールの制限(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- 医療広告に関する前回の議論の整理(案)(厚生労働省 検討会資料)
- ビジネス プロフィールの写真と動画を管理する(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- ソーシャル メディアのリンクを管理する(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- クチコミの報告について(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)
- 法的な理由でコンテンツを報告する(Google Legal ヘルプ)
- 医師らがGoogleを提訴したことを伝える記事(AFPBB News、2024年4月19日)
※本記事の内容は公開時点のものです。医療広告のルールやGoogleのポリシーは見直されることがあります。
AUTHOR
UMEHARA BLOG