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- 資料請求、めっきり減りました。でも、お客様は前より調べています
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Web集客担当の梅原です。
先日、工務店の社長さんとお話ししていて、こんな一言が出ました。
「資料請求、めっきり減りましてね。うちのサイトが悪いんですかね」。
これ、けっこうあちこちで聞きます。数字が減ったと聞くと、条件反射でヒヤッとしてしまいます。
もう職業病みたいなものだと思います(笑)。
ただ、それ、本当に悪い話というか、危機的なものなのでしょうか。
今回、その感覚が正しいのかどうか気になって、国の調査やら業界の統計やらを一通り引っ張り出して確かめてみました。
結果から言うと、思っていたのと少し違いました。違った部分も含めて、ありのままお伝えします。
国土交通省が毎年出している「住宅市場動向調査」というものです。
実際に家を建てた人にアンケートを取っている、わりと信頼できる調査です。
その中に「施工者を探した方法」という項目があります。知りたい情報ピンポイントの調査です。
注文住宅を建てた人が、どうやって依頼先を見つけたか。令和7年度(2026年7月公表)の結果が、なかなかの内容でした。

インターネットが、4年で27.5%から45.8%まで来ました。そして令和7年度、ついに住宅展示場と並びます。
展示場のほうも見ておくと、49.0%から45.8%へ、5年かけてじわじわ下がっている。急に崩れたわけではありません。
展示場が落ちたというより、ネットが一気に追いついた、という形です。
つまり、お客様は調べるのをやめたわけではありません。調べる場所が移ってきている。
同じ調査で「インターネットを通じた情報収集をした」と答えた人は76.2%。ここ数年、ずっと76〜78%あたりで高止まりしています。
自社サイトを「パンフレットの置き場」ではなく「展示場と同じ役割の場所」として見直す。展示場で聞かれることが、そのままサイトに書いてあるか確認する。
同じ調査に「インターネットを通じた問い合わせ、説明会・内見・資料等の申込み」という項目があります。
ここが減っていれば「資料請求が減った」の裏づけになるのですが、数字はこうでした。

年ごとに上がったり下がったりで、はっきり減っているとは読めません。令和6年度だけ突出して高いのですが、この年は回答数が505件と少なめなので、たまたまの振れかもしれない。
少なくとも「全国的に資料請求が減り続けている」と言い切れる根拠には、なりませんでした。
書き始める前は、この数字が現場の実感を裏づけてくれると思っていました。そうはなりませんでした。
なので、ここから先は「データで確かめられたこと」と「リセラが現場で見ていること」を、分けて書いていきます。
自社の資料請求数を、月ごとに3年分並べてみる。全国の傾向より、自社の数字のほうがずっと確かな判断材料になる。
一方で、はっきり減っているものがありました。住宅展示場の来場です。
住宅展示場協議会と住宅生産振興財団が毎月発表している来場組数を見ると、2025年度は4月から翌1月までの累計で205万388組。
前年同期比6.1%減です。前年割れは月単位でも続いていて、2026年6月は前年同月比13.6%減の17万1820組でした。
家を建てる人が減っているのも事実ではあります。
2025年度の持家着工は19万5111戸で、前年度比12.6%減。1958年度以来の水準だそうです。
ただ、着工の減り方より展示場の減り方のほうが、月によっては大きい。
足を運ぶ前に候補を絞る動きが進んでいる、と見るのが自然だと思っています。
昔は「とりあえず展示場をいくつか回って、資料をもらって、家に帰って比べる」でした。
いまは「ネットで数社に絞ってから、1社か2社だけ見に行く」。回る数が減れば、もらう資料の数も自然と減ります。
そして、同じことがWebサイトの側でも起きている実感があります。
さきほど書いたとおり全国のデータでは示せなかったのですが、リセラが見ているサイトの感覚で言えば、資料請求は前より確実に減っている。
ここは正直にそう思っています。
「来る前に絞られている」前提でサイトを見る。デザイン、価格帯、対応エリア、性能の考え方、この4つが最初の1分で分かるか。
分からなければ、そこで候補から外れている可能性がある。
では、なぜ絞れるようになったのか。です。
現場で見ていて、いちばん大きいのはInstagramだと思っています。
施工事例の外観も、内観も、造作の細かいところも、スタッフさんの雰囲気まで、資料を取り寄せなくても見られるようになりました。
以前なら「まず資料をもらって、それから調べる」だった段階が、資料なしで済んでしまう。YouTubeのルームツアーも同じ役割を果たしています。
ただ、これを裏づける調査は、探した範囲では見つかりませんでした。
「住宅検討者の◯割がSNSで施工事例を見ている」という数字はいくつか出回っているのですが、元の調査にたどり着けないものばかりで、根拠として使うのはやめました。
なのでここは、リセラが現場で見ている話として受け取っていただければと思います。
そしてもうひとつ、はっきり感じていることがあります。
施工事例の見せ方がうまい会社が、そのまま強い領域です。
サイトの中でいちばん見られるのは、たいてい施工事例のページです。
好みの施工例がたくさんあれば、それだけで惹かれる。
さらに「こんな家もいいな」と思ってもらえれば、その方の中で選択肢の幅が広がっていきます。
そこまでいけば、建てた家を見てみたくなるし、話を聞いてみたくなるし、性能のことも知りたくなる。
順番としては、いつもこちらが先です。逆に言うと、どれだけ性能の説明を尽くしても、施工事例が弱ければそこまで読んでもらえません。
ちなみに、施工事例を会員登録しないと見られない形にしているサイトも見かけますよね。
お客様の情報が取れるので、そういう設計もあります。
ただ、いちばん見られるページに関門を置くことにもなるので、ここは何を優先するか、判断が分かれるところだと思います。
そしてもうひとつ、最近はここにAIも加わってきています。「◯◯市で高気密高断熱に強い工務店は?」とChatGPTに聞いて、そこから探し始める方が確実に出てきました。
この話は業種を問わない大きな変化なので、AIに「おすすめ」される会社になる話として別にまとめてあります。
施工事例のページに、いちばん手をかける。写真そのものの質はもちろん、並べ方、見出し、坪数や間取り、暮らしている様子まで。

来店された方に資料をお渡しするのは、どの工務店さんも当たり前にやっていることですよね。
そこはあらためて書くまでもない。変わったのは、その手渡しの機会が相対的に増えて、資料請求で先に届ける機会が減ってきた、というバランスの話だと思っています。
そのうえでお伝えしたいのは、資料請求という窓口は残しておいたほうがいい、むしろ今以上に力を入れておいたほうがいい、ということです。
理由はシンプルで、資料請求が入るということは、その時点で比較対象に入っている証だからです。
数ある会社の中から選んで、名前と連絡先を預けてくれた。
この事実は、アクセス数や保存数では代わりが利きません。
件数が減ったからといって窓口を畳んでしまったり、力を入れるのをやめてしまうと、いちばん確度の高いシグナルを自分で手放すことになってしまいます。
実際、工務店さんの側もいろいろ工夫されています。
フォームを通さず誰でも見られるオープンな形で置いておく(同業他社にも見られますが、それを承知のうえで)。
メールやLINEでデジタル版をすぐ届けて、現物はあとから郵送で追いかける。
熱があるうちにデジタルで届けて、紙で記憶に残す。この組み合わせは、よくお見かけします。
密度で言えば、資料請求よりも来店予約のほうが圧倒的に濃いのは事実ですし、そちらを主役に置く考え方もあります。
ただ、まだ来店は早いと感じている方の受け皿があるかどうかで、拾える人の幅は変わってくるように思います。
サイト側でひとつ足すとすれば、両方への温度感を使ってうまく誘導する導線でしょうか。
資料請求は残したまま、届け方を足す。デジタル版の即時提供、現物の後追い郵送。あわせて、資料請求以外の入口(見学会予約・LINE相談など)をひとつ用意する。
数字の見方の話も少しさせてください。
資料請求の件数は、長いあいだ工務店さんの調子を測る物差しでした。でもここまで書いてきたとおり、この数字はいま、お客様の関心の量を正しく映していません。
関心はあるけれど、請求という行動を取らないだけ、という人がその外側に大勢いる。
なので、追う数字を足していただきたいんです。
サイトを見に来た人の数、施工事例ページがどれだけ読まれたか、見学会や来店の予約数。そして、その先の着座率です。
絞ってから来ている以上、来てくださる方の本気度は以前より上がっているはずです。
同じ10組でも、中身が変わってきている。だとすれば、着座率はいままで以上に見ておきたい数字だと思っています。
資料請求は減った。でも来場数は変わらず、着座率も成約率も上がっている。
もしそうなっていたら、それはお客様の動き方が移り変わった証です。悪くなったのではなく、順番が変わっただけ、ということですね。
逆に、来場そのものが落ちているなら、それは別の話です。
その場合に手を打つべきは資料請求のフォームではなく、そこにたどり着くまでの見つけられ方のほうになります。
同じ「資料請求が減った」でも、その手前がどうなっているかで、打ち手はまるで変わってきます。
もうひとつ、書いておきたいことがあります。
資料請求してくださった方は、その時点で管理客になりますよね。
ただ、すぐ動く方ばかりではないので、営業さんの手が回らず、そのまま眠ってしまうことも多い。着工が減っている時期に、これはかなりもったいない。
ここは、インサイドセールスの出番だと思っています。訪問せずに、電話やメール、LINEで少しずつ関係を温めて、見学会や来店につないでいくやり方ですね。
もともと「資料を請求しただけの、まだ検討が進んでいないお客様」を相手にする手法なので、いまの状況とかなり相性がいい。
そしてここに、Web側がつなげられます。その方がサイトのどのページを見たか、いつ戻ってきたか。
「昨日、断熱のページを3回見ています」が分かっていれば、次の一本の電話はまったく違うものになります。
資料請求の件数だけを追いかけるより、請求してくれた方の"その後"を見えるようにしておくほうが、いまは効くはずです。
資料請求後の追客を、Web側の行動データとつなぐ。誰が・いつ・どのページを見ているかが分かる状態をつくってから、電話やLINEの内容を決める。
ここまで書いていて思ったのですが、サイトに賢いチャットボットを置くのって、そろそろ本当にアリなのかもしれません。
一昔前に流行った、決まった選択肢を出すだけのチャットボットとは、もう別物ですからね。いまのAIは。
「予算このくらいで40坪、断熱はどこまでできますか」みたいな質問にその場で答えられたら、お客様が絞る作業の一部を引き受けられる。
夜中でも動いてくれますしね。
ただし、精度が低いと逆効果です。
的外れな返しが一回あると、会社ごと「雑だな」と思われてしまう。人が答えたほうがマシ、という状態なら置かないほうがいい。そこは正直なところです。
それに、置いておくと質問がたまっていきますよね。どんなことを知りたくて来ているのか、どこで迷っているのか。
アクセス解析の数字には出てこない、サイトに来る方の"人となり"みたいなものが見えてくる。
この先のWeb施策を考えるうえで、これはかなり効いてくると思っています。
精度が上がってきたら、真っ先に試してみたい打ち手です。
今回、書き始める前に思っていたことと、調べて分かったことは、少しズレていました。「資料請求が全国的に減っている」という証拠は出てこなかった。
でも「調べる場所がネットに移った」「回る数が減った」ことは、はっきり数字に出ていました。
だからこそ、いまサイトに手を入れる意味は大きいと思っています。
展示場が果たしていた役割が、そのままホームページに移ってきている。
そこが薄いままだと、候補に入る前に外れてしまう。逆にここが整っていれば、来場してくださる方の質が変わります。
リセラは沼津を拠点に、全国のお客様のWebをお手伝いしています。
工務店さんですと、静岡のほか、関東から関西までの会社さまをサポートさせていただいています。
作って納品して終わりではなく、公開したあとも一緒に育てていくのが、創業からずっと変わらないやり方です。
制作&運営プランもあわせてご覧いただけたらうれしいです。
「うちのサイト、いま何が足りてないんだろう」という、ざっくりした段階でまったく問題ありません。
むしろ、そこから一緒に考えるのが得意です。実際にどんなお手伝いをしているかは、お問い合わせいただければ具体的な事例をご紹介します。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※本記事の数値は公開時点のものです。