「コンバージョン率って、どれくらいあればいいの?」。1%が目安と言われる理由と、業種によって違う見方
Web集客担当の梅原です。
「アクセス解析を見ていたら、コンバージョン率という数字があって。これって、どれくらいあればいいものなんでしょう?」
先日、ある会社でWebを担当されている方から、こんなご質問をいただきました。
アクセス解析を見るようになると、どこかで一度は出てくる疑問なんですよね。
前回、Web広告の記事の中で、「コンバージョン率は、一般的には1%あれば良い方とされています」と書きました。
そして、なぜ1%なのか、業種ごとにどうなのかは、また別の機会に書きます、とお約束していました。
今日は、その続きです。
コンバージョン率という数字を、どう受け止めて、どう使っていけばいいのか。現場で見てきたことをもとに書いてみます。
コンバージョン率って、何の数字?
まず、言葉の確認からさせてください。
コンバージョンは、サイトの「ゴール」のことです。
宿なら、自社サイトからの予約。
工務店さんなら、見学会の予約や資料請求。
お店なら、来店の予約や問い合わせ。
このように、その会社にとっていちばん来てほしい行動をゴールに設定することが多いです。
そして、コンバージョン率は、サイトに来た人のなかで、どれくらいの割合がそのゴールまでたどり着いたかを表す数字です。
| サイトに来た数 | 予約・問い合わせの数 | コンバージョン率 |
|---|---|---|
| 1,000 | 10件 | 1% |
| 1,000 | 20件 | 2% |
| 3,000 | 15件 | 0.5% |
計算そのものは、とてもシンプルです。
ただ、ここでひとつ気をつけておきたいことがあります。
何を「サイトに来た数」として数えるか。
何を「ゴール」として数えるか。
このふたつの決め方で、同じサイトでも率はかなり変わるんです。
「サイトに来た数」にも、数え方がいくつかあります
サイトに来た数、と言っても、じつは数え方がひとつではありません。
- 訪問の回数で数えるか、来た人の数で数えるか(同じ人が3回来たら、回数は3、人数は1)
- サイト全体で数えるか、特定のページに来た人だけで数えるか
- すべての入口から来た人で数えるか、広告から来た人だけで数えるか
アクセス解析の画面でも、どの数を分母にしているかで、表示されるコンバージョン率は変わります。
この記事では、いちばんよく使われる「サイト全体への訪問」を分母にした数字として書いていきます。
何をゴールにするかは、会社ごとに違います
ゴールの決め方には、いくつかの考え方があります。
| ゴールの決め方 | たとえば |
|---|---|
| いちばん欲しいものだけを数える | 宿の予約完了、工務店の見学会予約、お店の来店予約 |
| 電話や問い合わせも数える | 飲食店やお店で、電話番号のタップや電話の回数も含める |
| 予約画面やフォームにたどり着いた時点を数える | 予約やフォームが別のシステムで、完了まで数えにくいときの目安として |
3つ目の「たどり着いた時点」は、意外に思われるかもしれません。
でも、予約システムや問い合わせフォームが外部のサービスで、完了ページがその中にあるため、サイト側からは数えにくいケースは実際にあります。
また、予約や問い合わせの件数がまだ少ない時期は、その手前の「予約画面まで進んだ数」を見ておくと、ページの良し悪しを判断しやすくなります。
この場合は、本当のゴールとは分けて、途中の目安として見るようにしています。
どれを選ぶかは、その会社がいちばん増やしたいものは何か、どこまで数えられる状態になっているかで変わってきます。
正解がひとつあるわけではなく、お客様ごとに、何を大事な数字にするかを決めていく。
だから、ほかの会社の数字と見比べるときに、ここがそろっていないと、比べているようで比べられていない、ということになってしまうんですよね。
やること:自分のサイトで「何をゴールとして数えているか」を、一度書き出してみる。
なぜ「1%あれば良い方」と言われるのか
では、なぜ1%なのか。
先にお伝えしておくと、1%という数字に、どこかの公式な決まりがあるわけではありません。
Webの仕事をしている人たちの間で、経験的に言われてきた目安です。
私自身も、サイト全体で見たときの最初の目安としては、それほどずれていないと感じています。
その理由は、サイトに来る人の多くが、まだ「決める」段階にいないからです。
サイトに来る人を思い浮かべてみると、いろいろな方がいます。
- いくつかの会社やお店を見比べている途中の方
- 場所や営業時間だけを確かめに来た方
- 電話番号を調べに来た方
- もう予約を済ませていて、当日の案内を見に来た方
- 求人を見に来た方
- なんとなく気になって、のぞいてみた方
こうして並べてみると、その場で予約や問い合わせをする人は、ほんのひと握りなのが自然なんですよね。
100人来て、99人はその日には決めない。
それが普通のことで、サイトが悪いわけではありません。
特に、住まいのように金額が大きく、検討に時間がかかる商売ほど、率は低くなりやすいです。
一度サイトを見ただけで決める方は、ほとんどいませんから。
何度か見に来て、比べて、家族と話して、ようやく問い合わせにつながる。そういう流れが当たり前なんです。
だから、「1%しかない」と落ち込む必要はありません。
むしろ、サイト全体で1%前後あるなら、まずは安心してもらっていいところだと思います。
やること:自分のサイトに、どんな目的の人が来ていそうか、思いつくだけ書き出してみる。
業種や入口によって、率はかなり変わります
ここまでは「サイト全体」の話でした。
ただ、コンバージョン率は、業種や、どこから来た人か、その会社がどれくらい知られているかによっても大きく変わります。
探している人によって、数字の意味は変わります
1%が目安というのは、多くの業種で、ひとつの区切りとして使いやすい数字だと思います。
ただ、同じ1%でも、業種によって重みはまったく違います。
たとえば、こんなふうに並べてみると分かりやすいかもしれません。
| 探している人 | 探す人の多さ | 比べる相手 | 決めるまで |
|---|---|---|---|
| ご飯を食べに行くので、飲食店を探している人 | とても多い | 近くにたくさん | 当日から翌週くらい(記念日の予約などはもう少し前から) |
| 旅行に行きたくて、泊まれる宿を探している人 | 多い | 行き先の中でいくつか | 数日から数週間 |
| 家を建てようと思って、建築会社を探している人 | 限られる | 地域の数社 | 数か月から年単位 |
下に行くほど、サイトに来る人の数(分母)は小さくなります。
そして、比べられる相手の数も絞られていきます。
一方で、決めるまでにかかる時間は長くなり、一度のご縁の重みは大きくなっていく。
分母も、比べる相手の数も、決め方も違うのですから、同じものさしで良い悪いを決めることはできないんですよね。
お店の場合は、もうひとつ気をつけたいことがあります。
サイトから予約しなくても、電話をかけたり、地図を見てそのまま来店したりする方が多いので、サイトの中だけで数えると、実際よりもかなり低く見えてしまうことがあるんです。
知られているかどうかでも、変わります
同じ業種でも、名前で検索してくれる方が多いかどうかで、数字は大きく変わります。
会社やお店の名前で検索して来る方は、もう候補として考えてくれている方です。こういう方が多いサイトは、率が高くなりやすい。
反対に、まだ知られていない段階で、一般的な言葉の検索から来る方が多いサイトは、率は低めに出ます。
どちらが良い悪いではなく、そのときのサイトの状況が数字に表れている、ということなんですよね。
業種、入口、知られ方。
ケースによって本当に違うので、何%なら合格、と一概には言えない、というのが正直なところです。
海外の広告のデータは、なぜ高いのか
ネットで調べると、もっと高い数字を見かけることもあると思います。
たとえば、アメリカの検索広告のデータでは、こんな数字が出ています。
| 業種 | 検索広告のコンバージョン率 |
|---|---|
| 全業種の平均 | 8.18% |
| 不動産 | 3.70% |
| 旅行 | 5.83% |
| 住まい・リフォーム | 8.05% |
| 飲食 | 8.05% |
| 美容 | 10.35% |
| 歯科 | 10.67% |
出典:LocaliQ「2026 Search Advertising Benchmarks」
1%と比べると、ずいぶん高いですよね。
これを見て「自分のサイトは低すぎるのでは」と心配になる方もいるかもしれませんが、そこは安心してください。数え方が違うんです。
- サイトに来た全員ではなく、広告をクリックした人だけを分母にしている
- 電話ボタンのタップなど、広告主がゴールに決めたものがまとめて数えられている
- 電話一本で予約が決まるような、地域のサービス業が多く含まれている
なので、サイトに来た全員を分母にして、いちばん欲しいゴールだけを数えた数字と並べて比べるものではないんですよね。
それでも、金額が大きかったり比べる相手が多かったりする業種は低め、近くですぐに予約したい業種は高め、という並びは、現場で感じていることとも重なっています。
業種によって差がある、という傾向をつかむ参考として見てもらえたらと思います。
やること:ほかの会社の数字と比べるときは、業種と「どこから来た人の数字か」がそろっているかを確かめる。
率だけを見ていると、見誤ることもあります
コンバージョン率は便利な数字ですが、率だけで良い悪いを決めてしまうのは、少しもったいないと思っています。
たとえば、こんなことがよくあります。
ブログやコラムを書き続けて、検索から来る人が増えた。
すると、サイト全体のコンバージョン率は下がった。
これ、悪いことに見えますよね。
でも、問い合わせの件数そのものは増えている、ということがあるんです。
| サイトに来た数 | 問い合わせ | コンバージョン率 | |
|---|---|---|---|
| 記事を書く前 | 1,000 | 10件 | 1.0% |
| 記事を書いたあと | 2,000 | 14件 | 0.7% |
率は下がっても、問い合わせは4件増えています。
記事を読みに来た人の多くは、まだ調べ始めたばかりの方です。その方たちが加わったぶん、率は下がって見える。
でも、いずれお客様になってくれるかもしれない人と出会える数は、増えているんですよね。
反対に、率が高くても、そもそもサイトに来る人が少なければ、件数は増えません。
率は、件数と一緒に見る。
私は、この組み合わせで見るようにしています。
そしてもうひとつ、件数の中身、つまり問い合わせの質も、あわせて見ていきたいところです。
実際の成約や来店につながっているかどうかは、数字だけでは分からないことも多いので、ここは担当の方に聞かせていただくようにしています。
やること:コンバージョン率を見るときは、同じ期間の「件数」も横に並べておく。
自分のサイトの「ものさし」をつくる
じゃあ、結局どの数字を目安にすればいいのか。
私がいちばんおすすめしているのは、ほかの会社と比べるより、自分のサイトの先月や去年と比べることです。
業種や地域、何をゴールにしているかがそろっているのは、自分のサイトの過去だけです。
だから、自分の数字の流れを見るのが、いちばん確かなものさしになるんですよね。
見るときは、次のように分けておくと、どこを手直しすればいいかが見えやすくなります。
入口ごとに分けて見る
検索から来た人、広告から来た人、Googleマップから来た人、SNSから来た人。
入口によって、もともとの温度感が違うので、率も違って当然です。
全部をまとめた数字だけを見ていると、どこが良くて、どこに伸びしろがあるのかが分からなくなってしまいます。
ページごとに分けて見る
プランのページ、施工事例のページ、料金のページ、ブログの記事。
どのページを見た人が、予約や問い合わせにつながりやすいのかを見ていくと、力を入れるページがはっきりしてきます。
月に一度、同じ見方で見る
数字は、毎日見ると上がったり下がったりして、かえって判断を迷わせます。
月に一度、同じ見方で、前の月や去年の同じ月と比べる。
宿や工務店さんのように季節の波がある商売なら、去年の同じ月と比べるほうが、よりはっきりします。
やること:去年の同じ月と、今月のコンバージョン率と件数を並べてみる。
率を上げたいときに、まず見るところ
自分のサイトの数字を見て、「もう少し上げたいな」と思ったときに、私がまず見るところを書いておきます。
どれも、大きなリニューアルをしなくても見直せることが多いところです。
- 予約や問い合わせのボタンが、スマートフォンですぐ見つかる場所にあるか
- 料金、空き状況、アクセスなど、お客様が知りたいことに先に答えているか
- 問い合わせフォームの入力項目が、多すぎないか
- 電話やLINEで連絡したい方のための入口も、用意してあるか
- 広告やSNSで見せた内容と、来てもらったページの内容がそろっているか
サイトに来る人を増やすのは、時間もお金もかかります。
一方で、今来てくれている人が、迷わずゴールまでたどり着けるように整えるのは、比べると手をつけやすいことが多いんです。
同じ人数でも、ゴールまでたどり着く人が少し増えれば、件数は変わってきます。
やること:スマートフォンで自分のサイトを開いて、予約や問い合わせまで、実際に進んでみる。
最後に
コンバージョン率の1%は、サイト全体で見たときの、ひとつの目安です。
ただ、業種や入口、何をゴールとして数えるかで、数字は大きく変わります。
だからこそ、ほかの会社と比べて一喜一憂するより、自分のサイトのものさしをつくって、件数と一緒に見ていく。
私は、それがいちばん続けやすくて、手直しにもつなげやすい見方だと思っています。
「数字は見ているけど、これが良いのか悪いのか分からない」
「そもそも、何をゴールとして数えればいいのか決まっていない」
そんな段階のご相談で、まったく問題ありません。
何を数えるか、どう見ていくかを決めるところから、一緒に整えさせてください。
リセラでは、サイトを作るだけでなく、数字を見ながら手直しを重ねていく運用まで、継続してお手伝いしています。
Web集客を始めたばかりの段階で何から見ればいいかは、Web集客の初期にやることの記事にまとめています。
広告から来た人の数字を見ていきたい方は、Web広告運用のページもあわせてご覧ください。
長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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