新人のころに担当したホテルに、いまはお客さんとして毎年泊まっています

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Web集客担当の梅原です。

今日は、仕事の話のようで、あんまり仕事の話ではないことを書きます。宿泊業のお手伝いをしている会社の代表が、一人のお客として通っているホテルの話です。

まだ、駆け出しのころに担当させてもらったホテルがあります

伊豆の河津町に、伊豆今井浜東急ホテルというホテルがあります。

このホテルのホームページを、社会人になってすぐのころに担当させてもらいました。リニューアルも担当し、その後の更新も任せていただいた。
まだ経験がたりないと自覚しているに、リゾートホテルの顔になるサイトを任せてもらえたわけで、いま思うと、よく担当させてもらえたなと思います。
当時は、プレッシャーだらけでした。

それでも、この仕事があったから今があるという意味で、間違いなく自分の原点のひとつになっています。

いまは、お客さんとして毎年泊まっています

転勤により担当を離れて、その後独立もして、あのころから早いもので、20年近くが経ちました。

そしていま、このホテルにはお客さんとして毎年泊まりに行っています。仕事とはまったく関係なく、ふつうに宿泊客として通っています。

理由は、単純に好きといいますか、居心地が良いからです。
目の前が海で、プールもあって、しっかり非日常を過ごせる。ビーチはホテルのプライベートビーチなので人も少なく、ライフセーバーの方がいてくれるのも安心です。
沼津からはほどよい距離で行きやすく、料理もおいしくて、のんびりできる。
滞在中の過ごし方が、自分にとって心地いいんですよね。夜にマッサージを頼むのも、毎年の恒例になっています。

縁のあった場所だから、という気持ちも、もちろんあります。
でも、それ以上に、行きたいから行っている、というのが本当のところです。

当時の担当の方、いまも同じ場所にいます

そしてもうひとつ。当時ご一緒させていただいた担当の方が、いまもこのホテルにいらっしゃいます。

行くたびにご挨拶させていただいて、あれこれ話します。内容はといえば、ほとんど世間話です。
毎年ありがとうございます、お元気そうで何よりです。
仕事の話をするわけでもなく、ただ、近況を交わして笑っている。
それだけの時間なのですが、毎年これがあると、なんだかちゃんと一年が回ったような気持ちになります。

考えてみると、長く同じ場所で働いている方が多いというのは、お客の立場からしても安心するものですよね。
スタッフさんに顔を覚えてもらって、一年ぶりにご無沙汰です、なんて話す。これもまた、同じところに繰り返し行く楽しみのひとつです。

20年近く前にご一緒させていただいた方と、いまも年に一度こうして話している。
冷静に考えると、けっこうすごいことだなと思います。
当時、本当にお世話になった方なので、いまもこうして迎えていただけるのは、ありがたいことです。

今年は、夕食を頼み忘れる

ちなみに今年も夏に行ってきたのですが、夕食付きのプランで予約したつもりが、朝食付きだけのプランを予約していました。
例年より安いなとは思っていたんですよね。

チェックインのとき、フロントの方に相談、その場で予約を取ってくださいました。

こういう対応をしていただくと、そのホテルの印象が、自分の中でまた一段上がるんですよね。
設備でもプランでもなく、人の対応で印象が変わる。お客の立場でそれを実感しました。

もうひとつ、今年の発見も書いておきます。
プールサイドで毎年やっているイベントがあって、フラダンスの方々が登場するんです。
例年もあったのですが、今年はたまたまじっくり見るタイミングがあって、その世界観に、すっかり心を持っていかれ、まじまじと見入ってしまいました。

おかげで、来年また行くときの楽しみがひとつ増えました。行く理由が、またひとつ、増えました。

なぜ毎年、同じホテルに通うのか

ここからは、宿泊業のお手伝いをしている立場で少し考えてみます。

自分はなぜ、毎年ここに行くのか。

正直に言うと、これは自分の性分の問題かもしれません。新しい店や新しい宿を開拓するより、気に入ったところに通い続けるタイプなんです。
行きつけができると、そこにしか行かなくなる。なので「このホテルが変わらないから通っている」のか、「自分がそもそも通う人間だから通っている」のか、正直よく分かりません。

ただ、ひとつ言えるのは、この場所に関しては、目新しさを求めて行っているわけではない のですよね。

毎年、同じホテルに泊まって、同じように海を眺めて、同じようにマッサージを頼んでいます。
何か新しい体験を期待しているかというと、そんなこともなく。
むしろ、いつもと同じであることが理由になっている気がします。勝手が分かっていて、過ごし方が決まっていて、知っている方がいる。それが心地いいから戻ってくる。

とはいえ、今年のフラダンスのように、通っているからこそ新しく見つかるものもある。
そう考えると、変わらないことと、小さな発見と、両方あるのがいいのかもしれません。

夏には、クワガタやカブトムシが展示されているのですが、その存在が子供の頃を思い出させてくれて、懐かしさとともに、クワガタ採りに行きたくなります。

リピーターは、何を見て戻ってくるのか

そう考えると、ひとつ問いが浮かびます。

宿のホームページやSNSは、たいてい新規のお客様に向けて作られています。
まだ来たことのない方に、どう魅力を伝えるか。これは当然のことですし、リセラも普段そこをお手伝いしています。

でも、何度も通うリピーターの方は、そもそもサイトをあまり見ていない気がします。

自分の場合もそうです。予約するとき、サイトをじっくり読むことはありません。
空いている日と、いつものプランがあるかを確認して、それで終わり。すでに知っているから、調べる必要がないんですよね。

これは、考えてみると大事なことかもしれません。
リピーターへの接点は、サイトの中ではなく外にある ということ。
滞在中に受けた対応、届くお知らせ、SNSでふと目に入る投稿。戻ってくる理由は、たぶんそういうところで作られています。

もちろん、これが宿泊業全体に当てはまるとは言えません。毎回違う宿を選ぶ方も、当然たくさんいます。
自分にも、一度泊まってそれきりになっている宿はあります。
ただ、通うタイプの客も一定数いるのは確かです。
そしてその方たちに効くのは、サイトの中の情報ではなく、サイトの外にある接点のほうです。
ここが、リピーター施策のいちばん刺さるところなのだなと、改めて感じています。

しかも、こういう客はLTV(お客様一人あたりの生涯価値)がかなり積み上がります。
毎年泊まって、夕食をつけて、マッサージを頼んで。実際、自分もけっこう使っています(笑)。

とはいえ、どの施設でも新規のお客様のほうが圧倒的に多くて、リピーターの比率は小さいのが実際のところだと思います。
だからこそ、新規の獲得はもちろん大事にしたうえで、戻ってくださる方をどう増やすか。リセラも、より一層に、ここに取り組んでいきたいと思っています。

長く同じスタッフの方がいること。宿にとっては当たり前のことでも、通う側からすると、戻ってくる理由のひとつになっています。
このあたりは、宿側からは見えにくい部分かもしれません。

変わらずそこにある、ということ

結局、自分がこのホテルに通っている理由をつきつめると、施設そのものより、変わらずにそこにある ことなのかなと思います。
海も、プールも、毎年のマッサージも、そして当時の担当の方も。

そしてこれは、どこまでいっても定性的な理由です。数字では出てきません。

リセラは、アクセス解析も予約数の分析も、定量的なことはきちんとやります。
でも、その先で実際に予約ボタンを押すのは人で、その人が動く理由は、たいてい数字の外側にあります。
エモーショナルな部分を大切にされるエンドユーザーさんが多い。 ここを忘れずにサイトを育てていきたいと、常日頃から思っています。

旅館やホテルでも、結局のところ記憶に残る滞在って、そういうものですよね。
料理がとにかくおいしかった。温泉が本当に気持ちよかった。スタッフさんの温かさに癒された。満足を少し超える体験ができたとき、人はまた行きたくなる。

リセラが、作って納品して終わりではなく運用まで一緒に続けていくことを大切にしているのも、たぶん同じ理由です。
続けることでしか積み上がらないものもあります。20年近く前に担当した施設の方と、いまも年に一度話している。それも、根っこは同じなのだと思います。

宿泊業のWebについては、ホームページの作り方インバウンド・多言語対応の記事も書いています。
そちらは実務の話なので、あわせてご覧いただけたらうれしいです。

来年もまた、行きます。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。